職務経歴書を作成するうえで悩まれる方が多いポイントが「自己PR」です。何を書けばいいのかわからない、自己PRをしようと文章を作成すると、長すぎたり短すぎたり魅力が伝わらない。よくわからないまま、自己PRを作成してみて、何となく応募し、書類通過ができなかった事例は多々あります。
採用担当者は、「自己PR」を見ています。面接に進めるか否かの最終判断は、自己PRかもしれません。
それほど重要な自己PRですが、書き方をご存じない方も多いので、採用担当者の心を動かす職務経歴書の書き方について、ご紹介をさせていただきます。
自己PRの正しい書き方
職務経歴書の自己PRは以下3つから構成します。
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「強み」
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根拠とのなる具体的なエピソード
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強みを活かし応募企業に「貢献・活躍できること」
自分自身の強みを過去の経験、成功体験の具体的なエピソードから根拠を示し、応募企業で活躍できる理由を述べる。
採用担当者のミッションは優秀な人材を獲得し、会社の成長に貢献することです。書類審査をされる方の気持ちになって考えると、活躍してくれるエビデンスが欲しいもの。活躍できる根拠は何か?根拠を明確にできるか、納得感がある内容かが重要です。
残念ながら自分本位にPRを作成される方もおりますが、まずは相手がいることを理解し、自身の強みをアピールすることが重要です。
また、自己PRを書くために行う事前準備のステップをご紹介します。
Ⅰ.キャリアの棚卸し
過去の経験や実績、スキルを振り返り時系列で振り返り、お客様や取引先、上司やチームメンバーから評価されたこと、得意とすることを洗い出し強みを見つけます。特に、根拠となる具体的なエピソードも書き出していくと良いでしょう。
Ⅱ.応募企業の求める人物像を明確に
企業のHPや採用ページを参考に情報収集をしましょう。可能であれば、実際に働く社員さんと話す機会を設けて、どのような人材が求められているか、現場で活躍されている方はどのような人材か、具体的な業務内容で特に難しい点などをヒアリングしてみましょう。
企業研究を行い、自分の強みが活かせる点があれば、自己PRで記載できるポイントになります。
Ⅲ.「強み」を一言で表す
応募企業の求める人材とマッチするような強みを簡潔に述べられるように表現しましょう。入社後、強みを活かしてどのような領域で貢献・活躍できるのかを考えるだけでなく、強みを発揮できる根拠を過去の成功体験から具体的なエピソードで語れるようにしましょう。
Ⅳ.自己PRをわかりやすくまとめる
自己PRは長くても400文字まで。200〜300文字程度が良いと言われています。採用担当者にわかりやすく書きましょう。但し、短すぎると意欲が低いと判断されることもありますので、注意しましょう。
重要な3つのポイント
- 具体的な数字を用いてオリジナリティのあるエピソードで表現
- 過去の成果についての再現性、M&Aの仕事でも生かされる行動である証明
- 企業、採用担当者が求める人材であるアピール
具体的な数字を用いてオリジナリティのあるエピソードで表現
過去の成功体験について、具体的な数字を用いて表現しましょう。売上実績は職務経歴書に記載しますので、以下のように具体的な数字と行動を用いて過去のエピソードから採用担当者にアピールをしましょう。
例)〇〇業界で法改正により従業員20名以下の企業は経営状況が厳しくなると予想し、M&Aのニーズについてヒアリング。10件ほどヒアリングした結果、法改正前よりも50%以上の経営者が先行き不安を抱え、具体的にM&Aを考え、動き始めていることを知る。その後、業界特化型のチームをつくり3年でメンバー5名売上5億円を達成。
過去の成果についての再現性、M&Aの仕事でも生かされる行動である証明
主に、営業活動における再現性です。営業成績をどのように上げてきたか、なぜ成果を上げることができたかを言語化することです。例えば、営業プロセスを因数分解し、プロセスごとに次のフェーズへの転換率を割り出します。ゴール(成約)から逆算し、どの程度のファーストアクション(ソーシングなど)を行うべきか数値化、プロセスごとの効率化を行い、成果を上げた方は具体的にどのように効率化を図ったかなどを説明できるようにしましょう。
企業、採用担当者が求める人材であるアピール
まずは、応募企業の求める人材について情報収集をします。その後、求める人材と自身を照らし合わせ、重なる部分を中心に自己PRしていくことをお勧めします。
採用担当者は、「どのようなスキルを持った人物か」、「どのような考え方をお持ちの人物か」を気にします。自己PRではこのポイントを表現できるような内容を記載しましょう。
まとめ
職務経歴書の自己PRには以下の3点を含めること
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「強み」
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根拠とのなる具体的なエピソード
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強みを活かし応募企業に「貢献・活躍できること」
また、具体的に気を付けるポイントは以下3点
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具体的な数字を用いてオリジナリティのあるエピソードで表現
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過去の成果についての再現性、M&Aの仕事でも生かされる行動である証明
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企業、採用担当者が求める人材であるアピール
以上を意識しながら、採用担当者の目に留まる自己PRを作成しましょう。
〈監修〉 株式会社M&A Enabler 代表取締役 白石健人 同志社大学理工学部卒業後、三菱UFJ信託銀行に入社。その後、2018年M&A仲介事業を行う株式会社fundbookに参画。M&Aアドバイザーとして、上場・未上場、セルサイド、バイサイド共に幅広い業種において数十件のM&Aの成約を支援。 2023年に株式会社M&A Enablerを創業し、代表取締役に就任。